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絹を吐き出す昆虫、蚕の種類について調べる

蚕

糸を吐く虫、身近なところでよく目にするのが蜘蛛(くも)ですが、今回は絹を吐く昆虫、「絹糸虫(けんしちゅう)」と呼ばれる色々な種類の蚕(かいこ)について説明します。

絹糸虫とは、幼虫から蛹(さなぎ)になる時に絹糸を吐いて繭玉をつくる昆虫類のことを言い、昆虫の世界では鱗翅目(りんしもく)に属します。

鱗翅目とは昆虫類の分類の一つで、蝶(ちょう)とか蛾(が)とかの総称です。

絹糸虫の種類

絹糸虫(けんしちゅう)は大別すると家蚕(かさん)と野蚕(やさん)に分かれます。

下記の分類図を見れば分りやすいかと思います。

蚕、鱗翅目の分類図

家蚕は、カイコガ科の昆虫を屋内にて飼育されている昆虫でもう数千年前から人の手によって飼育されています。

家蚕

今は人が飼育しないと生きていけなくなっているほど家畜化された昆虫です。

絹の生産性をあげる為、品種改良を何度も重ねられ、今やエサとしている桑の葉も自分で見つけ出すことができなくなっているのです。

日本をはじめ世界50か国余りで飼育され、私達がよく利用するシルク製品(着物やタオル他)やシルク入りの化粧品、シルク入りの食品やサプリメント、ほとんどが家蚕からとれた絹が使われています。

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もその一つです。

では家蚕以外の絹を吐く昆虫を見てみましょう。

家蚕以外の絹糸虫は野生の蚕(かいこ)でヤママユガ科に属します。

卵を採取したり、防御ネットで天敵を守るほどの手間はかけますが、基本的には森林などの野外に放し飼いにして自然のままに繭をつくらせます。

家蚕と違い生産性が悪く、実用化されているのが少ないですが、今はこだわりの絹、特殊な特長を持つシルクとして利用されています。

野蚕の色々な繭の形や色がこちらのページで紹介されています。

野蚕の解説ページ

野蚕の種類と特長

天蚕(てんさん)

日本が原産で全国各地に生息しています。

日本の森林に多く生えているクヌギ、ナラ、カシワ、カシ、クリなどの葉をエサとして、緑の美しい繭を作ります。

天蚕からとれる絹は、希少価値が高く「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれ、丈夫な繊維、優雅で深い光沢さ、軽くてしなやかで織物になった時はシワになりにくいと言われています。

ただ家蚕からとれた絹のようには染まりずらいので織物にする場合は少し工夫が必要のようです。

柞蚕(さくさん)

中国が原産ですが、朝鮮半島、インド産もあり、明治の頃は日本にも輸入されて、長野県などで飼育されていました。

クヌギ、コナラ、クリ、カシワなどの葉を食べて育ち、淡い茶褐色系の繭(まゆ)を作ります。

現在では中国やインドが主な産地ですが、タイ産もあると聞いてます。

通常は「野蚕糸」として取引されていますが、その糸は「タッサーシルク」と呼ばれています。

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の原料は柞蚕からとれた絹です。

ムガサン

生息しているのは、インドのアッサム地方だけです。

黄色もしくは黄褐色の繭を作ります。

希少価値が高く高価な繊維、小さなな穴がある多孔質繊維です。

エリサン

インドのアッサムが原産、ヒマを好んで食べることから「ヒマサン」と呼ばれています。

非常に丈夫な絹をつくり、かつては日本でも飼育されていたとのことです。

白、桃黄色、ピンク、赤褐色などさまざまな繭玉があり、繭の層が綿状でふかふか柔らかく、簡単に糸をたぐることができず、綿やウールのように紡績原料になるようです。

フウサン(楓蚕)

楓の葉を食べるフウサンはテグス蚕とも言われ、中国南部、インドに分布しています。

この繭から得られる「テグス」は最高と評価されています。

ナイロンなどの化学繊維がない時代は、釣り糸や網は絹で作られていました。

絹製のテグスは透明度、当たりの良さ、適当に伸びることから結びやすい、解けにくいとして重宝されていたようです。

また外科手術縫糸、楽器弦などにも利用されています。

以上以外には、銀杏やクルミの葉を食べるクスサン(楠蚕)や日本の最西端に位置する与那国島に生息する巨大な蛾(が)として有名なヨナクニサンなどがあります。

 

今回は絹を作る色々な昆虫を見てきました。

カイコに近い昆虫は100種類ほど見つかっている記録もあり、自然界にはまだまだ人類が発見していない絹を作る昆虫がありそうですね。